CLTサーキュラー設計メモ:DfDで実現する再利用可能なシステム

CLTを「消費材」から「循環する建材」に変えるための

実装戦略を技術メモとして整理する。


1. 課題:なぜCLTの再利用は難しいか

【再利用を阻む3つの壁】

├── ① 接合部の破壊(ビス・ドリフトピンが繊維を損傷)

├── ② 特注寸法の制約(案件ごとに寸法が異なり転用不可)

└── ③ 履歴データの欠落(荷重・含水率の記録なし)

解決の前提思想:DfD(Design for Disassembly)

=設計初期から「解体されること」を組み込む。


2. 4つの実装戦略

① 構造:乾式接合 + ハイブリッド金物

  • 接着剤・釘打ちを廃止 → ボルトオン・システム
  • 鉄工所製スチールコネクターで木と鉄を接合
  • 柱・大梁:S造/床・耐震壁:CLT の混構造も有効
  • 解体時:ボルトを外すだけで無傷回収

② 意匠:特注 → モジュール化

③ IT:BIM × 建物OS によるマテリアル・パスポート

CLTパネル個体 ──[RFID/QR]── 生産履歴(樹種・強度・産地)

──[IoTセンサー]── 使用履歴(応力・含水率)

──[建物OSログ]── メンテナンス履歴

再利用時、これらのデータが構造計算の根拠となる。

④ 加工:リマニュファクチャリング・ルート

  • 表面を5〜10mmプレーナー加工 → 木目を再生
  • CLTは層構造 → 表面層除去後もコア層の耐力は計算可能
  • 地域の製材所との連携が前提

3. ビジネスモデルの転換

従来:CLT「買い切り」モデル

施主 → 購入 → 使用 → 解体・廃棄

新モデル:CLT「サブスクリプション(PaaS)」

施主 ⇄ リース会社/ゼネコン ⇄ 次現場へ転用

└ 炭素の長期固定 → ESG投資・J-クレジットの対象に

成立条件: 鉄工所・製材所・設計事務所による地域アライアンス


4. 設計時のチェック問い

「この接合部は、30年後に壊さず綺麗に外せるか?」

DfDを実務に落とし込む際の、最も簡潔な判断基準。


参考・関連トピック

  • Design for Disassembly(DfD)設計手法
  • マテリアル・パスポート(建材のデジタル身分証明)
  • PaaS(Product as a Service)型建材リースモデル

連載で深く学ぶ

接合金物の選定基準、地域アライアンスの具体的な組み方は

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